東京見物
私は中国地方の自然の多いところで育った。今思えば自然に恵まれた環境で育ったことはありがたく思うのだか、若い頃は本当に都会に憧れた。仲間は第二の大都市、大阪で就職するものが多かったのだが、私は高校の時の担任に頭を下げて、東京に就職できるように相談に乗ってもらったのだ。当時は私の中では大都会といえば東京しかなかった。みたことのない世界を見てみたかった。
担任の先生のおかげで私は無事に東京のとある靴屋に就職が決まった。
私の田舎にはまだハイカラな靴を履いているものはおらず、最先端の靴を扱える仕事についていることは誇らしく、初任給で故郷の両親と妹に靴を送ったのがいい思い出だ。
同期の仲間たちと会社の用意してくれたアパートに暮らした。仕事中もずっといっしょ、仕事が終われば東京の夜に繰り出す。ボーリングや雀荘などで大いに遊び、疲れを感じたこともなかった。よく語り合い、時にはもちろん喧嘩もした。
今は訳あって新潟の女房の実家近くで暮らしている。東京からはすっかり足が遠のいていたが、先日思い切って東京にすむ当時の仲間を訪ねてみた。
二人で、当時仕事仲間と通った雀荘を訪ねてみた。正直、もうとっくに潰れているだろうと思っていたが、なんとまだあったのだ。多少壁がリニューアルされて今風になっているものの、その壁と集まる人たちの格好以外は当時そのままだったのである。
集まっている若者たちに話を聞いてみると、彼らは休みの日の朝は競馬、この雀荘には夕方仲間たちと集い、夜はめちゃシコなどの動画を観ているそうだ。今はなんでもインターネットでできる時代なのである。聞くとインターネットで麻雀を練習し、この雀荘に来てその腕前を競うのが楽しいのだそうだ。
私もブログデビューをしたのが一昨年なのだが、まだついていけない自分がいるのだが、若者たちが楽しそうに話すのを見てやってみたくなった。